証券外務員二種計算問題覚え方 財務諸表企業分析&経済・金融・財政の常識分野 簡単解説
- 証券外務員二種計算問題覚え方 財務諸表企業分析&経済・金融・財政の常識分野 簡単解説
- 証券外務員二種試験 財務諸表と企業分析の計算問題の覚え方と出題傾向
- 配当性向=配当金÷当期(純)利益×100 (★★★☆☆☆)
- 配当率=配当金÷資本金(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
- 利益に関する計算問題
- ROE(Return on equity )自己資本利益率=当期純利益÷自己資本(期首期末平均)×100(★★★★★★)
- 売上高利益率=当期純利益÷売上高×100(★★★★☆☆)
- ROA総資本利益率(Return on asset)=当期純利益÷総資本(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
- 資本金利益率=当期純利益÷資本金(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
- 売上高と利益に関する計算問題
- 売上高総利益率=売上総利益(粗利ともいう。)÷売上高×100(★★★☆☆☆)
- 売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100( ★★★☆☆☆)
- 売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100(★★★☆☆☆)
- 証券外務員二種試験 負債と資産の関係の計算問題の覚え方と出題傾向
- 計算問題出題可能性大 総資本回転率と損益分岐点売上高の解き方
- 証券外務員二種試験 経済金融財政の計算問題の覚え方
- まとめ
- 証券外務員二種試験 財務諸表と企業分析の計算問題の覚え方と出題傾向
この記事は、証券外務員二種試験合格を目指す方のために、計算問題の財務諸表企業分析&経済・金融・財政の常識分野を説明している記事です。
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証券外務員二種試験 財務諸表と企業分析の計算問題の覚え方と出題傾向
財務諸表と企業分析では、非常によく似た計算式が頻出してきます。
計算問題の傾向として、一度パターンを覚えてしまえば簡単に乗り越えられる計算式が多いです。
配当性向=配当金÷当期(純)利益×100 (★★★☆☆☆)
配当性向とは、当期の純利益にたいしてどのくらいの配当を行っているかという指標です。
配当金は一定であることが多いので、ある年度の利益が多い(景気が良い)と配当性向は低めになります。
また沢山稼いでいる(利益が多い)のに、配当が少ないということは、企業内で金を蓄えている状態と言えます。このような状態を内部留保率が高いと言います。
一方で、ある年度の利益が少ない(景気が悪い)と配当性向は高めになります。
配当性向のまとめ
景気が良いと配当性向は低めになる。
景気が悪いと配当性向は高めになる。
配当率=配当金÷資本金(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
配当率とは、配当金が資本金に対してどのくらい配られているかを表す指標です。
一見配当性向と似ていますが、配当性向は当期純利益で割るということを覚えておきましょう。
利益に関する計算問題
利益率系の計算問題の覚え方のポイントは、
○○利益が常に分子に来ます。
ROE(Return on equity )自己資本利益率=当期純利益÷自己資本(期首期末平均)×100(★★★★★★)
Returnがequity(自己資本)の上にon(乗っかっている!)と覚えましょう。
ROEを覚えておけば、他の利益率系の計算問題も同じような形なので覚えられます。
売上高利益率=当期純利益÷売上高×100(★★★★☆☆)
売上高と利益は同じ意味ではありません。売上高から経費等差し引いたものが利益です。売上高利益率は、売上に対して、どのくらいの利益を得ることが出来ているのかを表す指標です。売上高利益率が低いと、無駄な費用が多くかかっており、稼ぐけどお金が残らないなんて状況になってしまいます。
ROA総資本利益率(Return on asset)=当期純利益÷総資本(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
Returnが asset の上にonしてると覚えましょう。ROEと似ていますが、分母が総資本なので注意です。
ちなみに、総資本と自己資本は写真のような関係です。
(*この写真では純資産の部に新株予約権と非支配株主持ち分を含めておりません)
総資本は、賃借対照表の右側全部の合計値です。一方で、自己資本は総資本から流動負債と固定負債を引いたものになります。
図でイメージを描いておきましょう。
資本金利益率=当期純利益÷資本金(期首期末平均)×100(★★★☆☆☆)
資本金とは、純資産の部の構成要素であって、純資産≠資本金なので要注意です。
売上高と利益に関する計算問題
売上高利益率系の計算問題は簡単です。
売上高を分母に、○○利益を分子に置くだけですw
売上高総利益率=売上総利益(粗利ともいう。)÷売上高×100(★★★☆☆☆)
粗利とは、売上高から売上原価(コスト)を差し引いた数字です。
売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100( ★★★☆☆☆)
営業利益とは、粗利(売上総利益)から、販売費および一般管理費を差し引いた数字です。
売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100(★★★☆☆☆)
経常利益とは営業利益に営業外利益を加えて、営業外費用を差し引いた数字です。
経常利益や、営業利益は、求め方を損益計算書で覚えてしまうと良いです。
2、3回自分で書いてみると覚えられます。
利益率系問題と売り上げ利益率系問題の出題傾向と覚え方まとめ
○○利益が常に分子!
売上利益率の場合、売上が分母で○○利益が分子!
利益率系の計算問題の出題傾向はROEが出る!
証券外務員二種試験 負債と資産の関係の計算問題の覚え方と出題傾向
負債と資産の関係の計算問題では、
負債に対してどのくらいの返済能力が資産で確保されているかという値を求めます。
流動比率=流動資産÷流動負債×100(★★★★★★)
流動負債を返済するのに、どのくらい流動資産があるのか?という数値を求めます。
流動負債は比較的短期間で返済をする必要があります。
固定資産が沢山あっても、すぐに資金化できる資産(流動資産)がないと、返済が滞ってしまうなんてことがあります。
一般的に流動比率は200%以上が好ましいとされています。
当座比率=当座資産÷流動負債×100(★★★★★★)
流動負債を、流動資産の中でも最も即現金化しやすい当座資産でとらえる計算式です。
図でイメージを描いておけばすぐ覚えられるはずです。
固定比率=固定資産÷自己資本×100(★★★★☆☆)
ある会社の固定資産(ここでは、分かりやすく工場をイメージしてください。)
を、どのくらい返済する必要が無いお金(自己資本)で建てることが出来ているかというを求められます。
固定長期適合率=固定資産÷(固定負債+自己資本+非支配株主持ち分)(★★☆☆☆☆)
*非支配株主持ち分は連結財務諸表のときのみ計算
固定資産と似ていますが、固定負債も計算に含めます。
固定比率と固定長期適合率のイメージ図です。ご覧ください。
固定比率も固定長期適合率も100%以下が望ましいとされます。
100%以下ということは、固定資産をほとんど自己資本あるいは自己資本と長期の借金でカバーすることが出来ている、財政的に健全な状態です。
負債比率=負債÷自己資本×100(★★★★★☆)と自己資本比率=自己資本÷総資本×100
負債比率と自己資本比率は下の画像を頭の中でイメージできればすぐ覚えられます。
何の何に対する割合なのかという点に注目しましょう。
負債と資産の関係の計算問題の出題傾向と覚え方まとめ
負債と資産の関係は賃借対照表を書いてイメージを持つと良い!
固定比率、流動比率と負債比率は出題可能性大
計算問題出題可能性大 総資本回転率と損益分岐点売上高の解き方
総資本回転率(回/年)=売上高(年間)÷総資本(期首期末平均)(★★★★★★)
総資本回転率とは、1年間の売上高を得るのに、総資本を何回転させたのか??という数字を求める計算式です。
例えば、あなたが500万円分資本を持っているとしましょう。
そして、頑張って頑張った結果1年間で2000万円売上を作ったとします。
この場合の、総資本回転率は、2000(万円)÷500(万円)で4回転になります。2000万円という売上を作るのに、資本500万円を4回転させたということです。
(ちなみに、資本回転率は高ければ高い程良く、同じ2000万円の売上を作るのに資本が100万円だった場合、回転率は20回となり、優れています。)
総資本回転期間=12÷総資本回転率(★★★★★★)
総資本回転期間は、資本を一回転するのに何か月かかったのかという数字を求める計算式です。
例えば、先ほどの例で考えると、あなたは2000万円の売上高を作るのに、500万円を4回転させました。
ということは、あなたは、一回転するのに3か月要したということです。(12÷4=3か月)
イメージをご覧ください。
総資本回転率と総資本回転期間は必ず覚えましょう。証券外務員二種試験の計算問題で頻出です。
売上高成長率=当期売上高÷前期売上高×100
増収増益という言葉がありますが、増収という場合は、当期の売上高が前期の売上高に対して増加したということです。
利益成長率=当期純利益÷前期利益×100
こちらは、増益を表します、当期の利益が前期の利益に比べて増加した場合、増益と言います。
超重要問題 損益分岐点売上高の計算式の覚え方
損益分岐点売上高から限界利益率は超重要問題です。証券外務員二種試験の10点配点の計算問題として頻出です。絶対に覚えましょう。
損益分岐点売上高
=固定費÷1-(変動費÷売上高)
損益分岐点比率
=損益分岐点売上高÷売上高×100
計算式の形から分かるように、損益分岐点売上高、損益分岐点比率そして変動費率は全て分母が売上高ですね!
そして、損益分岐点売上高の計算式をちょっと頑張って覚えれば、あとはその値を売上高で割ることで損益分岐点比率が求められます。変動費率は変動費を売上高で割るだけです。
売上高営業キャッシュフロー比率=営業活動によるキャッシュフロー÷売上高×100(★★☆☆☆☆)
1年の売上高に対して、どのくらい営業活動によるキャッシュフローを生み出したのかという数字を求められます。
営業キャッシュフロー有利子負債比率=営業活動によるキャッシュフロー÷有利子負債比率×100(★☆☆☆☆☆)
有利子負債(要するに借金です)の返済に充てる営業活動によるキャッシュフローはどのくらいあるのかという数字を求められます。
売上高営業キャッシュフロー比率と、営業キャッシュフロー有利子負債比率は余力があれば覚えておく程度で良いでしょう。試験でも問題集でもほとんどお目にかかったことがありません。
ここまでのまとめ&損益分岐点売上高の覚え方
損益分岐点売上高、損益分岐点比率、変動費率は分母がすべて売上高。
証券外務員二種試験では損益分岐点に関する問題と総資本回転期間に関する問題が頻繁に出題される。
証券外務員二種試験 経済金融財政の計算問題の覚え方
経済金融財政は5肢選択問題で出題される傾向がにあります。
以下計算式は、直接計算問題として出題されることは少ないですが、用語に関する択一問題で出る可能性が高いので語呂併せを使ったりして覚えておきましょう。
語呂で覚えてほしい計算式
GDP(分配面)=雇用者報酬+営業余剰+固定資本消耗+間接税ー補助金
報酬が余って消耗したか(間接税)助(補助金は)はない(引く)・・・。
そのため、インフレ時(物価上昇分がプラス)のときは名目GDP>実質GDPとなり、
デフレ時(物価上昇分がマイナス)は名目GDP<実質GDPとなります。
名目金利は名目GDPと計算式が似ているので比較しながら覚えてしまいましょう。
経常収支と金融収支の関係
経常収支+資本移転収支ー金融収支+誤差脱漏=0
経すけ移転先で金無くす(金融収支を引く。)
経常収支=貿易サービス収支+第一次所得収支+第二次所得収支
経常収支の求め方も併せて覚えておきましょう。
家庭系の計算式
可処分所得=所得ー所得税ー(健康保険料+年金保険料+雇用保険料)
可処分所得とは、所得から税金保険を差し引いて実際に自由に使うことが出来るお金です。こう見ると、私たちは随分差し引かれていることが分かりますね・・・
家計貯蓄=可処分所得ー消費支出
実際に使えるお金といっても、消費せずには生きていけません。買い物したり、出かけたり、支出した分を引くと家計の貯蓄になります。
家計貯蓄率=家計貯蓄÷可処分所得
家計貯蓄率は可処分所得を家計貯蓄で割るミスをしてしまいがちです。気を付けましょう。
労働系の計算式
労働生産性=生産量÷就業者数×年間総労働時間
労働生産性は直感的にイメージできる人が多いと思います。
完全失業者数=完全失業者数÷労働力人口(就業者数+完全失業者数)
完全失業者数(仕事をする意思があるが仕事をしていない人数)を就業者数(実際に働いている人)と完全失業者数の和で割ります。
15歳以上の学生を除いた人口のうち、上記の労働力人口は果たして何人いるのか計算式で求めます。
有効求人倍率=求人数÷求職者数
求人数(仕事を与えたい人)を求職者数(仕事を探している人の数)で割ることにより、求職者数1人あたり、何件の求人があるか求めることが出来ます。
一般的に、有効求人倍率は景気動向指数の中で一致指数と言われ、景気の波に連動して現れます。ただし、統計の対象が公共職業安定所等に登録した人のみを対象としているので、実態よりも高く表れる傾向にあります。
余力がある人は覚えよう
貿易依存度=自国貿易額÷名目GDP
自国がどのくらい貿易に依存しているのか求めることが出来ます。
マネーストック(民間非金融部門にある資金量)が名目GDPに対してどのくらいあるのか求めることが出来ます。
国民所得に対する税金と社会保障負担の割合です。これは押さえておきましょう。
まとめ
財務諸表企業分析分野、経済金融財政の常識分野で出題される計算式はほぼ網羅しています。一見難しそうな計算式ですが、よくよく見てみると簡単なものばかりです。
ちなみに筆者は、
うかる! 証券外務員二種 最速テキスト 2017-2018年版とうかる! 証券外務員二種 最速問題集 2017-2018年版で勉強していました。
この記事がこれから証券外務員二種試験を受験される方の参考になれば幸いです。
では!