パリティ価格の覚え方 5分で分かるパリティ価格
この記事は、証券外務員二種試験を受験される方に向けて書いた記事です。
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ところで、皆さんパリティ価格ってご存知ですか??債券業務の問題で問われることがあるパリティ価格、しかしイマイチピントこない概念ですよね。
そこで今回はド文系の私が頭をフルに使ってパリティ価格と、併せて乖離率について解説していきたいと思います!
パリティ価格とは?
パリティ価格とは、転換社債(転換社債型新株予約権付社債)を株式に転換したときの価値に着目した転換社債の理論価格のこと。「株価/転換価格×100」の式で計算して求めます。例えば、転換価額1,200円、現在の株価1,500円の会社の転換社債の場合、パリティ価格は1,500円÷1,200円×100=125円となります。そのとき転換社債の価格が140円だったとすると、転換社債は理論上の価格よりも高い値がついていると考えられます。株価と転換価格が同じときには、パリティ価格は100円となります。100円を上回っているときは、社債としての価値以上に株式としての価値の側面が強く表れ、下回っているときは、社債としての側面が強く表れます
-SMBC日興証券より引用
うーん、これではいまいちよく分からない・・。でも安心してください、このページを読み終えたころにはパリティ価格を自分のものにしていることをご約束します!
転換社債って何?
まずは、転換社債(転換社債型新株予約権付社債)についての説明です。CBなんて呼ばれたりします。
CBは、それぞれ発行された新株予約権と社債を組み合わせた社債です。言うなれば、新株予約権と社債のハイブリットです。この転換社債のすごいところは、予め決められた株価で株式に転換できる権利がついているという点です。
1つ例にとって考えてみましょう。
例えば、Aさんはソフトバン〇の転換社債を持っていたとします。そしてその転換社債には株価200円で株式に転換できるという権利がついていたとします。
ある日ソフトバン〇の株価が急上昇して1株1000円になりました。そしてAさんは今すぐ株式に転換して差益を得たいと考えました。この場合Aさんは予め決められていた価格200円で株式に転換することで差益800円を得ることが出来ます。
一方でAさんの会社の同僚のBさんはソフトバン〇の株を1株600円で買っていました。ソフトバン〇の株が1株1000円になったのでAさんと同じく市場で株式を売却することにしました。
しかしBさんは1株600円で買っており、Aさんのように予め決められた価格に株式の価値を変えることはできません。そのため結局Bさんは1000円で売ることになり、差益400円(1000円ー600円)を得ることになりました。
どうですか??転換社債ってすごいですよね。予め決められた価格で株式に転換できるということは、転換社債の保有者は株価が上がった時に株式に転換し、すぐに売却することで利益を得ることが出来ます。一方で株価が下がっているときは、社債としてそのまま保有していれば、利子を受け取ることができ、償還期限には額面がしっかりと返ってきます。
しかし、ここで1つ問題があります。それは、一体株価が何円の時に株式に転換するべきなのか??ということです。
だって株式に転換して利益を得たけれど、償還期限まで社債として保有していた方が儲かっていたのに!!なんてことは嫌ですよね??そこで頭のいい人たちはパリティ価格を使って乖離率を求めることを思いつきました。(詳しくは記事の後半でお話します。)
そこでまずは焦らずパリティ価格についてみてみましょう!
パリティ価格の覚え方 まずは式に使われる用語を理解しよう
パリティ価格では転換価額が使われるのですが、後の乖離率では転換社債の時価が使われます。そこで頭の中でごっちゃにならないように、転換価額について理解を深めておきましょう。
転換価額とは?
転換価額とは、転換社債を株式に転換する場合の1株当たりの発行価格のことを言います。分かりやすく説明するために例を用いて説明します。次の例をご覧ください。
今Aさんは、償還期限まで保有していれば100万円が払い戻される転換社債を持っています。しかし、株価が上がっているので、転換社債を株式に転換しようと考えました。しかしAさんは、自分が保有する額面100万円の転換社債は何株に相当するのか?分かっていません。すると、同僚のBさんが転換価額が400円だから、Aさんの取得できる株数は2500株(100万円÷400円)だよ、と教えてくれました。
つまり、転換価額は転換社債の額面金額を株式に置き換えるときに1株当たりどのくらいかかるのか?ということを示します。
上の例だとAさんは、転換社債の1部を1株式に転換するのに400円かかり、転換社債の全てを株式に転換するのに100万円(2500株×400円/1株)かかっていますね。
パリティ価格は語呂を使えばすぐ覚えられる。
転換価額について理解が深まったところで、いよいよ式の暗記です。私は↓↓の様にして覚えていました。
パリティ価格(値)=株価(分子)÷転換社債の時価(分母)×100の語呂
実際に式を書いてみて分母から時計回りに読んだ時の語呂です。
図書館で勉強しているときに、テンパが効いた人が通り過ぎたので思わずこの語呂にしましたw
ここで、なぜ株価を転換価額で割るのか?ということに疑問を抱く方がいるかもしれません。しかしその答えはいくら考えても出ません。なぜなら、パリティ価格という理論を考えた人が、そう決めたからです。1+1はなんで2なの??という質問と同じです。
なのでここでは、語呂でサッと覚えてしまいましょう。肝心なのは次からです。
パリティ価格から乖離率を求めよう。
最初の方でお話したようにパリティ価格を求めたのは、
乖離率を求めて、いつ転換社債を株式に転換して売るべきなのか?あるいは、転換社債のまま保有している方がお得なのか?を求めるため
でしたね!まずは乖離率の式を見てみましょう。
乖離率(%)
転換価額がこの式で使われていないので注意です。間違って転換価額ーパリティ価格なんてことはしないように注意してください。
そして重要なのは、
- 転換社債の実際の市場での値段>転換社債を株式に直したときの理論価値を上回っているとき(プラス乖離)は社債として保有する方が儲かり、
- 逆に転換社債の実際の市場での値段<転換社債を株式に直した時の理論価値を上回っているとき(マイナス乖離)は株式に転換した方がお得だということです。
プラス乖離なら社債のまま満期まで保有し、マイナス乖離の時は株式に転換する事でもうけることが出来ます。
これで、万が一転換社債を手にするときが来ても、自分で転換すべきかそれとも社債で保有すべきか分かるようになりましたね!(めったにないと思いますが・・。)
パリティ価格は覚えておこう
いかがでしたか?一見聞くと難しそうですが覚えてしまえば簡単なパリティ価格。証券外務員二種試験では頻出の問題なので必ず押さえておきましょう。
また、パリティ価格を使った乖離率の計算も重要です。どちらも10点問題として出題されることが多いのでマスターしておくにこしたことはありません。
それではみなさん、試験勉強頑張ってください!では。