さいたまと歩く

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【証券外務員一種計算問題】図解でスッキリ!計算問題の勉強方法・解説

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はい、さいたまです。今回はこの記事で証券外務員一種で出題される計算問題の解き方を図を交えて優しく解説していきます。

なんとなーく、計算問題は苦手・・という方が、この記事を通して外務員一種試験で出題される計算問題に持つ苦手意識を克服出来たら幸いです。

証券外務員一種計算問題は、超重要。

まず確認ですが、証券外務員一種を受験するにあたって計算問題は超重要です。なんせ、1問10点ですからね。そのため、「苦手だから後回し・・。」なんてしていると、あっという間に10点問題を落としまくり不合格になってしまいます。

しかし、ネットで証券外務員一種試験の計算問題をググっても分かりやすい解法が表示されないのも現実。そこで、僕は「だったら自分で分かりやすい解法の記事を書いちゃお☆」と思ったわけです。

 

証券外務員一種で出題される計算問題は、二種の範囲と一種の範囲

さて、証券外務員一種試験で出題される計算問題の範囲の確認です。外務員一種試験では、証券外務員二種の範囲に加えて新たに、信用取引/先物取引/オプション取引/特定店頭デリバティブ取引から計算問題が出題されます。

証券外務員二種計算問題に関しては以下の記事で詳しく解説しているのでそちらをご参考にしてください。

そこで本記事では、信用取引/先物取引/オプション取引/特定店頭デリバティブ取引の計算問題を解説していきます!

 

証券外務員一種計算問題 信用取引からの出題

信用取引とは、ざっくり説明すると「証券会社からお金を借りて株を買ったり」、「証券会社から株を借りて売ったりする」取引です。そのため、現物取引よりも大きな規模の取引が出来たり、「売りから入る」選択肢を得ることが出来るわけです。

 

そして、まず覚えておいてほしい用語がこちら。意味をしっかり覚えておくと、弁済方法に関する計算問題が簡単に解けます!

信用取引貸し株料 

✔品貸料

 

信用取引貸し株料とは、投資家から証券会社に支払われるレンタル代

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投資家は、株やお金を証券会社に担保として差し出すことで証券会社から株を借りてきて「信用売り」をします。そしてこの株を借りているときに投資家が証券会社に支払うレンタル代金が、信用取引貸し株料です。

品貸料とは、売り方から買い方に支払われるレンタル代

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品貸料は逆日歩とも言います。普段証券会社は、自社で保有している株を信用売りする投資家に貸し出しています。しかし、1つの銘柄に信用売りをしたい投資家が集中したら、当然株不足が発生しますよね。この場合、証券会社は、証券金融会社を通して生保や機関投資家から株を借りてきて信用売りをしたい投資家に貸し出します。

そしてこの株を借りてくるときにかかるレンタル代が品貸料と呼ばれ、売り方から徴収し買い方へ支払われます。

売り方から機関投資家ではなく、売り方から買い方に支払われるということをしっかり覚えておきましょう。

 

買建ての決済に関する計算問題

買建ての決済に関する問題は2つ。

①買建株を転売した場合の差し引き受払金額

②買建株を現渡で弁済した場合の差し引き受取金額

買建株を転売した場合の差し引き受払金額の計算問題

計算式

差損益ー委託手数料(消費税相当額)ー金利+品貸料

 

転売をする場合、証券会社から借りてきた株を市場で売却(転売)することで投資家は利益(転売価格ー購入価格)を得ます。そして、買建をする場合投資家はお金を借りているので金利を証券会社に支払います。

品貸料は先ほど確認しましたが、買い方は品貸料を”貰える側”なので加算します。

買建株を現渡で弁済した場合の差し引き受取金額の計算問題

計算式

買付金額委託手数料(消費税相当額含む)金利品貸料

 

現引きとは買い建てた株を投資家が引き取る代わりに、証券会社から借りていたお金と係る金利を支払う取引です。通常、市場で買建てた株を転売することが多いですが、例えば株価が下落しているときは転売しても、差損益が目減りorマイナスになってしまいます。そんな時に現引きで株を投資家が引き取ってしまえば長期保有をすることができ、株価が回復するまでじっくり待つことが出来ます。

この計算式は、委託手数料から品貸料まで全て買建て転売の場合と符合が逆になっていることに気が付くことです。

全部逆!と覚えておけば簡単に覚えられるはず。

売建ての決済に関する計算問題

売建ての決済に関する問題は2つ。

①売建て株を買戻しした場合の差し引き受払金額

②売建て株を現渡で弁済した場合の差し引き受取金額

 

売建て株を買戻しした場合の差し引き受取金額の計算問題

計算式

差損益ー委託手数料(消費税相当額)+金利信用取引貸し株料ー品貸料

 

売り方は持っていない株を証券会社から借りてきて「売り」をするために、証券会社に担保を差し入れて信用取引貸し株料を支払っていました。そのため、売り方はそこから生じた金利を受け取ることが出来ます。一方で、品貸料は売り方から徴収して買い方に支払うんでしたね。

以上をまとめると、信用取引貸し株料は「-」金利は「+」で品貸料は「-」となります。

 

売建て株を現渡で弁済した場合の差し引き受取金額の計算問題

計算式

売付金額ー委託手数料(消費税相当額含む)+金利信用取引貸し株料ー品貸料

 

現渡し取引と、通常の反対売買の違いがピンと来ない方はこちらの具体例をご覧ください。

ある日、さいたま君はXX商事の株価が天井だと感じ「もうこれ以上、株価は上がらない」と確信して100円で空売りをすることに決めました。そこで、S証券会社に信用売りの注文を発注。しかし、XX商事の株価は史上最高値を更新し120円に。さいたま君のポジションは含み損を増すばかり。さいたま君は諦めて反対売買をすることにしました。けれど、少しでも損失を減らしたいさいたま君は「手数料がより少ない」現渡しで決済をすることにしました。そこで、さいたま君は保有していたXX商事の現物株をS証券会社に時価120円で渡し、当初の注文価格100円を返してもらいました。

信用売りで損をしたさいたま君は、二度と空売りをしないことを誓いました。

(この場合は20円の損失です。そして、S証券会社から借りた株はさいたまくんのものです。)

計算式は、売りの反対売買の時とほぼ同じで 「差損益と売付金額」という部分だけ違うだけですね。現渡しは、反対売買よりも手数料を低く抑えることが出来るというメリットがあります。

委託保証金の計算問題と追加保証金の計算問題

ここからは証券外務員一種試験で「ほぼ必ず」出題される委託保証金や追加保証金の計算問題です。保証金なんて聞くと少しビビりますが、簡単な四則計算なのでご安心を。一つずつ解説していきます。

 

必要委託保証金の計算問題

例題

ある顧客がX社株式を2000万円分信用取引で買建てをすることにした。このとき、顧客の必要委託保証金はいくらか。

 

金融商品取引業者は、信用取り引きをしようとする顧客から委託保証金を徴収しなければいけません。(だって、信用を供与してもらうのに担保ゼロで「お金貸してください!株貸してください!」なんて顧客から言われても証券会社も困っちゃいますよね。)そしてこの委託保証金は約定価額の30%と決められています。

なので、例題の場合は以下のようになります。

必要委託保証金

2000万円(約定価額)×30%(委託保証金率)=600万円

 

必要保証金を代用有価証券で支払う場合の計算問題

例題(さっきの続き)

ある顧客がX社株式を2000万円分信用取引で買建てをすることにした。この時、顧客の必要保証金は600万円であった。そこで顧客は必要保証金600万円を現金ではなく、全額国内上場株券で支払うことにした。顧客は時価でいくらの上場株券が必要か。

 

この問題のポイントは、上場株券は現金に換算したらどのくらいの価値になるのか?という点です。パッと想像できる方もいるかもしれませんが、株券はあくまでリスク資産です。なので上場株券を100%現金に換算できないというのはなんとなくイメージが湧くハズ。では、何%くらいに換算できるのでしょうか??

その答えは、80%です。ちなみに国債証券は95%地方債証券は85%です。(この数字は覚えなくても、試験では条件として与えられていました!)

それでは、例題の解答を見てみましょう。

解答

まず、必要となる上場株券の価額をYと置きます。すると、以下のように計算式を立てられます。

Y×80%=600万円

(上の式は現金に換算したら、600万円になる時の上場株券の価額を求めてます。)

よって、Y=750万円

 

ちなみに、国債証券でも地方債証券でも考え方は同じです。

 

追加保証金の計算問題

例題

ある顧客がX社株式を2000万円分信用取引で買建てをすることにした。この時、顧客の必要保証金は600万円であった。そこで顧客は必要保証金600万円を現金で差し入れた。しかしその後X社株式は暴落し、500万円の評価損が生じた。このとき、顧客は追加保証金額を支払うことになるか。またその場合、何円支払えばよいか。

 

さて、いきなり問題難易度が上がりました。しかしご安心を。ちゃんと理解すれば大したことはありません。

まずは、追加保証金についてです。我々顧客は信用取引をする際に受け入れ委託保証金の残高が建株の約定金額の維持率20%を下回ることになった時、その約定金額の20%に達するまで追加で保証金を支払わなければいけません。よく、ニュースで「株で大損!借金地獄!」 なんて言うのを見かけますが、ああいうのは大抵この追加保証金を支払うために借金をしてしまうケースです。

問題文をそのまま理解しようとしても難しいので、図で見てみましょう。

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計算式で表すと以下のようになります。

解答

①必要委託証拠金は問題文より、600万円。

②維持率は約定金2000万円×20%=400万円。

③600万円ー500万円=100万円(維持率として確保できている額)

④②-①=400万ー100万円=300万円

追加保証金として支払うのは300万円

 

画像で詳細に解説していますが、何度か実際に解いてみることをおすすめします!手を動かすと、記憶に残りやすくなりますよ。

 

追加して信用取引を行う場合の計算問題

例題

ある顧客がXX商事株式会社の株式を900円で20000株、午前中に信用取引で買い付けた。その際委託保証金を現金で280万円と時価700万円の株券を差し入れた。午後になってA社株式を1株500円で買い付けたいが、何株まで買い付けることが出来るか。

 

こちらも図にするとこんな感じです。

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計算式

①300万円で新規購入をします。このとき新たに購入する金額をYとし、余剰証拠金300万円で限界まで株を買い集めると以下の式がたてられます。

Y×30%=300万円
Y=1000万円
②1000万円まで信用取引で株を買えることが分かりました。後は、1株あたりの値段で割るだけです。

1000万÷500円=20000株

20000株を新たに購入することが出来る。

 

以上の問題がスラスラ解ければ、後はどんな形式の問題が出題されても対策できると思います!

 

証券外務員一種計算問題 先物取引からの出題

先物取引とは、特定の商品(対象商品、原資産)を将来のあらかじめ定められた期日に、現時点で定めた価格(約定価格)で売買することを契約する取引です。先物取引の買方は売方から期限日に対象商品を購入する義務を負い、売方は期限日に買方に対象商品を売却する義務を負います。

そして覚えておいてほしいポイントがこちら。

①株式関連先物は最終決済が反対売買。債券先物は最終決済が受渡決済

②株式関連先物、債券先物は期限日前に反対売買を行い契約を解消できる。

 

証券外務員一種試験において、先物取引から出題される計算問題は簡単な部類のものが多いです。テクニックさえ覚えておけばどんな問題でも大抵解けます。

それでは、さっそく見てみましょう。

 

先物の理論価格の計算問題

例題

日経平均株価が11000円、日経平均株価配当利回りが年率1%、短期金利が2%のとき、90日後に満期になる日経平均株価先物の理論価格はいくらか。(注)キャリーコストは、小数点第3位以下は切捨て。

 

先物市場と現物市場は連動性はあるものの、別々に価格付けがなされています。この問題は、「現物価格から、先物価格を理論上の計算で求めてみよう。」というものです。

さて、この問題を解くにあたって計算式を見ると、以下のようになります。

計算式

先物の理論価格

=現物価格+現物価格×(短期金利ー利率または配当利回り)×満期までの日数/365

 

多分、これだけ見ても何のことだがさっぱりだと思いますので、ざっくりとこの計算式の解説をしていきます。

先物の理論価格の計算式の意味

式の意味を詳しく知りたい!という方向けに書いています。(興味がない人は読み飛ばして大丈夫です。後で公式を簡単に覚えられる語呂も紹介しています。)

例1:先物取引で1000円の株を買うゾ!

さいたま君は手持ち金がありませんが、現在1000円の株を3か月後に売買する先物取引をしようと考えました。このとき当然、1株1000円という値段には「配当金がもらえる」という前提も考慮されています。なんせ、株で儲けるためには転売差益か配当金を狙わなければいけませんからね。そのため、配当金が高いか、低いかは当然現在の株価に織り込み済みで考慮されていると考えられます。

しかし、残念なことに先物取引においてさいたま君は配当金を受け取ることが出来ません。なぜなら配当金を受け取るのは「将来売る側」です。だって3か月後に取引するまでの間、株式を所有しているのは、将来売る側=現在の株保有者ですからね。

ということは、先物取引の買方であるさいたま君は「配当金を考慮されて決められてた価格」(例では1000円)で取引をしているにもかかわらず、「配当金を将来もらえない」という可哀そうな状況に置かれていることになります。

例2:信用取引で1000円の株を買うゾ!

では、同様に手持ち金が少ないさいたま君が1000円の株を購入しようと思ったとき、他の手段はないでしょうか??答えは信用取引です。これなら、少額でも自己資金以上の株を買うことが出来ます。

しかし、信用取引で買建てをすると配当金を得ることはできますが、金利を支払わなければいけません。これでは、得るお金が増えても、出ていくお金が増えてしまいます。

 

ここまでをまとめるとこんな感じ。

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ここで勘が鋭い人は気づいたかもしれません。先物取引価格には、配当金が考慮されているなら、配当金を差し引いてしまえばよいのでは??と。

つまり、信用取引の価格から配当金を差し引いて、支払う金利を加えれば先物取引価格になるのでは??ということです。こうすれば、配当金を考慮せず、金利も考慮しないで価格計算ができますね!

 

先物の理論価格の計算問題を実際に解いてみよう。

例題

日経平均株価が11000円、日経平均株価配当利回りが年率1%、短期金利が2%のとき、90日後に満期になる日経平均株価先物の理論価格はいくらか。

 

解答

①まず、配当利回り短期金利の計算です。それぞれ、年1%・年2%なので設問に従い90日換算したときの金額を求めます。

配当利回り

=11000×0.01×90/365

=27.123

短期金利

=11000×0.02×90/365

=54.24

②上述した通り、先物取引において配当金はもらえず(-)、金利は支払いません。(+)よって以下のような計算式になります。

先物理論価格

=11000+54.24ー27.123

=11027.12(円)

 

先物の理論価格の計算の語呂合わせ(時間が無い人向け)

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語呂の解説
先物の理論価格は英語でFutures。→将来

現物は英語でStocks。→S→す(すめ)

金利は英語でRate。→R→ら(く)

配当は英語でDividend。→D→だ

 

先物の理論価格(将来に向かって)

=現物価格(Suすめ)

+現物価格(Suすめ)×

短期金利(Raく)ー利率または配当利回り(Da)

×満期までの日数/365日(さん

 

 「証券外務員一種試験まで時間がないよ・・。」という人は、「将来に向かって進め進めラクダさん!」という語呂を覚えて何度か計算問題を解いてみてください。結構インパクトがある語呂なので、すぐ覚えられるかと思います。

 

先物取引の投資計算に関する計算問題

例題

TOPIX先物を1450ポイントで20単位買建て、1550ポイントで転売したときの利益金額はいくらになるか。委託手数料は、下記の通りで合意されている。

買付時20万円

転売時22万円

*委託手数料に関して別に8%の消費税相当額が加算される。

 

この問題を解く上で必要になる前提知識一覧

TOPIX先物は0.5ポイント刻みで注文を出せる。上の例題だと、1450ポイント。

TOPIX先物の乗数は10000。

③委託手数料は買付時と転売時にかかる。

 

解法

この手の計算問題は一度覚えてしまえば楽ちんだと思うので、ポイントだけしっかり押さえましょう。

①まず、1450ポイントで買付け、1550ポイントで転売しているので、(転売価格ー買付け価格)で式ができます。(1550-1450)

②しかし、今回の取引単位は1単位ではなく、20単位なので(1550-1450)を20倍します。

③最後に乗数の10000を掛けます。

以上①から③をまとめると以下のようになります!

(1550-1450)×20×10000=2000万円

④次は委託手数料について。設問の条件では消費税8%を加味するのでそれぞれ×1.08をします。そして、2000万円から委託手数料合計(税込み)を引きます。

2000万円ー(216000円+237000円)

=19546400円

 

「20単位」など「取引単位」と聞くと、イメージが湧かない方もいるかと思いますので、こちらをご覧ください。

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これは、ドル円の取引画面で取引単位を選択している画像です。TOPIXではありませんが、要領は同じです。注文を出す際に赤丸の中を増やしたり減らしたりして1回の取引量を決めているんです。

通常、為替取引ならこれで終わりですが、株・債券の先物計算においては乗数と言われる数字を最後に掛けなければいけないので、お忘れの無いように。

 

(この先は追記中です。)

証券外務員一種計算問題 まとめ

いかがでしたか??一見難しい用語が多めですが、図解で理解してしまえば、そんなに難しい問題は多くないということがご理解いただけたでしょうか??

これまで計算問題に苦手意識を抱いてきた方は、この記事を時間があるときに何度も眺めてみてください。きっと理解できるようになりますよ!

 

さいたま