【所有期間利回り】証券外務員一種二種で頻出!しっかり押さえて得点源にしよう!
この記事は、証券外務員一種二種を受ける方や証券アナリストの試験を受ける方の中で利回りの計算を苦手とする方に向けて書いています。
利回りに関する計算が苦手!そもそも利回りって何さ!って方はこの記事を読んでしっかり理解して行ってください!
利回りの意味。利率と利回りの違いを理解しよう。
まずは、利回りと利率の違いをしっかり押さえましょう!
利率とは、
債券額面に対する利子の割合であり、
利回りとは、
投資元本(購入代金)に対する1年あたりの収益の割合のことを言います。
なんのこっちゃ?という方も安心してください!一つずつ解説していきます。
債券とは。株式と債券の違いは押さえていますか??
まずは、債券の説明からです!既に分かっている方は読み飛ばしてください☆
債券とは、
発行者(国、事業会社など)が投資家からお金を募ることで資金を調達する際に、発行者が投資家に対して渡す証書です。簡単に言うと、借用証書です。債券を発行したことで資金を調達した発行者は決められたときにこの借りたお金を返さなければなりません。
一方で株式とは、
発行者が資金調達を目的にして、投資家からお金を募る際に投資家に対して発行するのが株式です。株式発行による資金調達は、債券の場合と異なり”必ず借りたお金を返す必要はありません。”つまりどういうことかというと、もしも会社が倒産してしまったとき、債券の場合は会社の財産を切り売りしてでも債券を持っている人に対してお金を返さなければなりませんが、株式の場合はその必要がないんです。この意味で株主は”有限責任”と言われます。
債券は、投資金をちゃんと回収できるんです!
そして債券は、
①利付債
②割引債
③ディープディスカウント債
・・・etc などの様々な種類がありますが、証券外務員一種二種を受ける人は利付債と割引債をしっかり押さえれば大丈夫です。
利付債と割引国債の違いを易しく解説。
先ほど説明した、利率と利回りの違いを理解するためには、利付債と割引国債の違いを理解することが重要です。
まず割引国債とは、
クーポンの支払いが無く、満期時点に額面が1回だけ支払われる債券です。
例えば、額面100万円(満期になって発行者からもらえる償還金)の割引国債を95万円で購入した場合の償還差益は、
100万円(満期に発行者からもらえる償還金)ー95万円(購入代金)=5万円(キャピタルゲインって言います。)となります。
この様に、最初に債券価格(例の場合は95万円)を支払い、満期日に額面(例の場合は100万円)を1回だけ貰える債券のことを割引国債と言います。
そして、重要なのは次の利付債です!証券外務員一種二種で利回りを考えるとき前提としているのは利付債!
一方で利付債とは、
満期前の予め決められた日に利息(クーポンって言います。)の支払いがあり、満期日にはクーポンと額面が支払われる債券です。
例えば、額面100万円で利息(クーポン)5%で満期までちょうど5年の利付債を90万円で買ったとしましょう。さて5年後あなたは合計で一体何円の利益を手にするでしょうか??
一つずつ順番に考えていきましょう。
まず、1年目から4年目までの間に受け取ることが出来るお金は合計で、
20万円(100万円×5%×4年)です。
そして、5年目にもらえるお金は、
100万円(額面)+5万円(100万円×5%)ですね。
ということは、先ほどの利付債を購入すると合計で125万円の収入があり、購入代金として90万円の支出が発生していることになるので、利益は35万円です。
そしてこの時、1年目から5年目まのクーポン合計25万円を額面100万円で割った値を5年で割った値が利率です。
もっと簡単に言うと、利率とは額面(例では100万円)に対する1年あたりのクーポン(例では100万円×5%=5万円)の割合のことを言います。
上の例だと、利率は5万円(1年あたりのクーポン)÷100万円(額面)で5%ですね!
一方で利回りとは、購入代金に対する1年あたりの収益の割合のことを言うので、
先ほどの例の場合だと
①購入代金が90万円
②1年あたりのクーポンが5万円
③償還差益が10万円なので、
利回りは、5万円+10万円÷90万円×100=16.67%(小数点第3位以下四捨五入)となります!
ちなみにこの、満期日まで債券を保有した場合のクーポンと1年あたりの償還差益の合計額の購入代金に対する割合を最終利回りと言います。
これで、利回りと利率の違いを理解できましたね!
【ここまでのまとめ】
①利率とは額面に対する1年あたりのクーポンの割合
②利回りとは購入代金に対する1年あたりの収益の割合
所有期間利回りとは?その意味と計算方法を解説!
まずは、所有期間利回りの意味をCHECK!
所有期間利回りとは、
投資者が既発債(既に発行されている債券)を時間(市場価格)で買い付け、償還期限まで保有せず、中途売却する場合の利回りのことをいう。引用ーうかる!証券外務員一種必修テキスト
なんとなく分かりにくいので、またまた例題で考えてみましょう。
例えば、あなたが既に発行されて2年が経過した、額面100円、利率1.9%/年の利付国債を100.50円で買ったとします。そして3年後、利付国債の価格は103.50円に上昇しました。あなたは、今後の経済の先行きが不透明であると確信したので、ここで”利付国債を売る”決断をしました。さてこの時、利回りはいくらでしょうか?(小数点第三位以下切り捨て)
ここで疑問で何か疑問に感じませんか??
先程の最終利回りの説明では、
新に発行されてから満期まで債券を保有することで償還金を貰うことが出来ました。
しかしこのケースでは
既に発行された債券を購入して、満期を迎える前に途中売却してしまっています。そのため、額面の100円を受け取ることはできません。
けれど、その代わりに、売却差益を受け取ることが出来ます。
これを踏まえて例題の情報を整理してみましょう。
①まず、あなたがこの利付債を購入するのに要したお金(購入代金)は、100.50円でした。
②次に既に発行されて2年経過した利付債を3年間所有したので、受け取ることが出来るクーポンは合計5.7285円(100.50×1.9%×3年)。1年あたり、1.9円なので利率1.9%です。
③そして、あなたは購入してから103.50円に値上がりしたところで売り払ったので売却差益は3円(103.50円ー100.50円)
それでは、この情報を基に所有期間利回りを求めてみましょう。
その計算式は、こちらです。
所有期間利回りの計算も先ほど記述した最終利回りの考え方(1年あたりの購入代金に対する収益の割合)と同じです。
上の写真だと、
①1.9が1年あたりのクーポンで、(額面が100円なので問題文に記載されている%表示の利率をそのまま使ってOKです。)
②売却差益を所有期間3年で割ると、1年あたりの差益が求まります。
③そして、①と②の利益を購入代金で割って100をかけると所有期間利回りが求まります。
これってつまり、1年あたりの購入代金に対する収益の割合ってことですよね☆
結局最終利回りと、所有期間利回りの違いは、
①満期まで債券を保有して償還差益を得るか(最終利回りの場合)
②途中売却して売却差益を得るか(所有期間利回り)
ということだったんですね。
まとめ:所有期間利回りをマスターして証券外務員一種二種に合格しよう!
いかがでしたか??なんとなくイメージは掴めたでしょうか?
証券外務員一種二種では計算問題が非常に大きな配点を占めます。一問10点です。
そのため、本気で合格を狙っている人は計算問題に臆することなく一問ずつ理解して暗記していきましょう!その努力がきっと合格に繋がります。計算問題に全体的な不安がある人は、こちらの記事も参考にしてみてください。